年末調整-国外居住親族

Posted on 01/12/2023 by Koji Takahashi

扶養控除の改正

 令和5年分以降の所得税について、扶養控除の改正が行われており、国外居住親族に関して対象となる扶養親族の範囲が縮小されています。令和5年分の年末調整において、この改正への対応が必要です。

扶養親族の範囲の縮小

 扶養親族の対象者について、年齢30歳以上70歳未満の非居住者(国外居住親族)であって次に揚げる者のいずれにも該当しないものが除外されています。

①留学により国内に住所及び居所を有しなくなった者

②障害者

③扶養控除の適用を受けようとする居住者からその年において生活費又は教育費に充てるための支払を38万円以上受けている者

必要書類-海外留学者

 令和5年1月以後の給与等に係る源泉徴収額の計算において、その扶養親族が年齢30歳以上70歳未満の非居住者であって上記①に掲げる者に該当するものとして扶養親族等の適用を受けようとする居住者は、その旨及びその該当する事実を記載した扶養控除等申告書を申告書を提出するとともに、現行の親族関係書類に加えて、その非居住者である扶養親族が上記①に掲げる者に該当する旨を証する書類(留学ビザ等相当書類)の提出等をしなければならないこととされています。

留学ビザ等相当書類

 留学ビザ等相当書類とは、外国政府又は外国の地方公共団体が発行したその非居者である扶養親族に係る外国における査証に類する書類の写し又は外国における在留カードに相当する書類の写しであって、その非居住者である扶養親族が出入国管理及び難民認定法の留学の在留資格に相当する資格をもってその外国に在留することにより国内に住所及び居所を有しなくなった旨を証するものをいいます。なお、留学ビザ等相当書類が外国語で作成されている場合には、その翻訳分を添付する必要があります。

必要書類-38万円以上送金受領者

 給与等の年末調整において、その扶養親族が年齢30以上70歳未満の非居住者であって上記③に掲げる者に該当するものとして扶養控除の適用を受けようとする居住者は、その年の最後の給与等の支払いを受ける日の前日までに、その旨及びその該当する事実を記載した非居住者である扶養親族に係る扶養控除の適用について、扶養控除等申告書を提出するとともに、その非居住者である扶養親族が上記③に掲げる者に該当することを明らかにする書類(38万円以上の送金関係書類)の提出等をしなければならないこととされています。

38万円以上の送金関係書類

 38万円以上の送金関係書類とは、現行の送金関係書類であって、その居住者から非居住者である扶養親族である各人へのその年における生活費又は教育費に充てるための支払の金額の合計額が38万円以上であることを明らかにする書類をいいます。