インボイス制度開始にあたっての留意事項

 2023年11月、国税庁は「インボイス制度開始後において特にご留意頂きたい事項」として、具体的には①~③の3点について公開しました。 ①インボイス登録通知が未達の場合  「10月1日時点で登録通知番号が発行されていない場合」ですが登録通知が未達であっても対応は可能です。10月1日を迎えても、インボイスの登録通知が届かない場合、売り手は登録通知を受けた後、買い手は登録番号を知らせる事後的な対応をする事になります。買い手としては売り手から事後的に受領した登録番号のお知らせなどを保存することで仕入れ税額控除を適用できます。消費税の申告期限までに売り手から登録番号のお知らせがない場合でも、事前に売り手がインボイス発行事業者の登録を受ける旨を確認できていれば事後的に交付された登録番号のお知らせ等の保存を条件に、登録番号のない請求書などに基づいて仕入税額控除が可能です。 ②インボイス適正性の確認  インボイスの適正性(番号が有効かどうか)については、事業者においてご確認いただく必要がありますが、全ての取引の都度、確認が必要となるものでなく、取引先の規模や関係性、取引の継続性などを踏まえ、事業者においてその頻度等をご判断いただくことになります。 ③クレジットカード利用の場合  クレジットカードを利用した場合ではクレジット利用明細書は一般的にインボイス記載事項を満たす書類に該当しないため、その保存のみで仕入れ税額控除することはできないとされています。また、ETCの利用に係るクレジットカード明細書はETC利用照会サービスからダウンロードした利用証明書と合わせることで、簡易インボイスの記載事項を満たすものとなるため、その場合はこれらを併せて保存することで仕入税額控除できるとしています。

 2023年11月、国税庁は「インボイス制度開始後において特にご留意頂きたい事項」として、具体的には①~③の3点について公開しました。 ①インボイス登録通知が未達の場合  「10月1日時点で登録通知番号が発行されていない場合」ですが登録通知が未達であっても対応は可能です。10月1日を迎えても、インボイスの登録通知が届かない場合、売り手は登録通知を受けた後、買い手は登録番号を知らせる事後的な対応をする事になります。買い手としては売り手から事後的に受領した登録番号のお知らせなどを保存することで仕入れ税額控除を適用できます。消費税の申告期限までに売り手から登録番号のお知らせがない場合でも、事前に売り手がインボイス発行事業者の登録を受ける旨を確認できていれば事後的に交付された登録番号のお知らせ等の保存を条件に、登録番号のない請求書などに基づいて仕入税額控除が可能です。 ②インボイス適正性の確認  インボイスの適正性(番号が有効かどうか)については、事業者においてご確認いただく必要がありますが、全ての取引の都度、確認が必要となるものでなく、取引先の規模や関係性、取引の継続性などを踏まえ、事業者においてその頻度等をご判断いただくことになります。 ③クレジットカード利用の場合  クレジットカードを利用した場合ではクレジット利用明細書は一般的にインボイス記載事項を満たす書類に該当しないため、その保存のみで仕入れ税額控除することはできないとされています。また、ETCの利用に係るクレジットカード明細書はETC利用照会サービスからダウンロードした利用証明書と合わせることで、簡易インボイスの記載事項を満たすものとなるため、その場合はこれらを併せて保存することで仕入税額控除できるとしています。

源泉徴収義務  居住者に対し国内において給与等の支払をする者は、その支払の際、その給与等について所得税を徴収し、その徴収の日の属する月の翌月10日までに、これを国に納付しなければならないこととされています。  源泉徴収の際には、次のような点に注意する必要があります。 給与・賞与の区分  給与を支払う際に源泉徴収をすることとなる税額の算定方法は、その支払う給与が賞与である場合と賞与以外の給与である場合とでは異なっていますので、税額の算定に当たっては、その支払う給与を賞与とそれ以外の給与とに区分する必要があります。  一般に賞与とは、定期の給与とは別に支払われる給与等で、賞与、ボーナス、夏期手当、年末手当、期末手当等の名目で支給されるもの、その他これらに類するものをいいます。  なお、給与等が賞与の性質を有するかどうか明らかでない場合には、次に掲げるようなものは賞与に該当するものとされます。 ①純益を基準として支給されるもの ②あらかじめ支給額又は支給基準の定めのないもの ③あらかじめ支給期の定めのないもの。  ただし、雇用契約そのものが臨時であるものを除きます。 給与ー月額表・日額表の区分  給与に対する源泉徴収税額表には、「月額表」と「日額表」がありあす。  月額表は、①月ごとに支払い、②半月・旬ごとに支払い、③月の整数倍ごとに支払い、の場合に使用します。  日額表は、④毎日支払い、⑤週ごとに支払い、⑥日割りで支払い(日雇賃金を除く)、の場合に使用します。 甲欄・乙欄の区分  給与所得者の扶養控除等(異動)申告書を提出している人に支払う給与等については、「甲欄」を適用し、扶養控除等(異動)申告書を提出していない人に支払う給与等については、「乙欄」(日雇賃金を除く)を使用します。 ...Read More

「自筆証書遺言書保管制度」とは  自筆証書遺言書保管制度は、これまで自宅で保管されることの多かった自筆証書遺言書の紛失、改ざんや相続人に発見されないおそれなどの問題点を解消しており、「安心」「簡単、安価」「親切」な制度です。法務局(遺言書保管所)で保管するという選択肢が増えたことによって、より安心して自筆証書遺言書を作成することができるようになりました。 指定者通知とは  この遺言書保管制度における指定者通知とは、遺言者から申出があった場合に遺言者の死亡後、遺言者が指定した人に対して遺言書が保管されていることを通知するシステムです。仮に遺言者が遺言書保管所に遺言書を保管していることを誰にも伝えずに亡くなった場合でも、指定者通知を受領した人にその事実が伝わるため、結果としてその他すべての相続関係人等にも遺言書が保管されていることが通知される制度です。 今回の変更点  この指定者通知の対象者に指定できるのは、これまでの遺言者の推定相続人、受贈者等、遺言執行者等のうち一人に限定されていました。しかし、指定された対象者が転居している場合などを踏まえ、人数や対象者を広げるべきではないかとの指摘がありました。  そこで、令和5年10月2日から指定者通知の運用が変更され、通知の対象者を「遺言者の推定相続人、受贈者等、遺言執行者等」に限定せず、人数も3人まで指定することが可能となりました。すでに対象者を一人に限定している場合も、対象者の追加が可能です。  ”争族”を回避する為に自筆遺言書を活用するケースが増加しており、遺言書保管制度についても徐々に増え、令和2年7月の制度開始からの保管件数は約6万件となっています。

マイナポータル連携  マイナポータル連携とは、所得税の確定申告手続きにおいて、マイナンバーカードを利用して、マイナポータル経由で、控除証明書等のデータを一括して取得し、各種申告書の該当項目へ自動入力する機能です。 取得可能な控除証明書  マイナポータル連携を利用して控除証明書等のデータを取得するには、控除証明書等の発行主体がマイナポータル連携に対応していることが必要となります。マイナポータル連携で取得可能な控除証明書等、発行主体は次の通りです。 (1)保険料控除証明書   生命保険会社22社、損害保険会社11社、共済4団体、日本年金機構、国民年金基金連合会 (2)小規模企業共済等控除証明書   国民年金基金連合会(iDeCo)、独立行政法人中小企業基盤整備機構 (3)住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書(住宅金融支援機構) (4)寄附金受領証明書・寄附金控除証明書   ポータルサイト7事業者、一部の地方団体 (5)特定口座年間取引報告書   証券会社38社 (6)公的年金等の源泉徴収票   日本年金機構、共済8団体 (7)医療費通知情報 給与所得の源泉徴収票  令和5年分の確定申告から、会社が給与所得の源泉徴収票をe-Taxで提出している場合には、給与所得のの情報が自動で入力されることになりました。税務署への給与の源泉徴収票の提出範囲は、年間の給与等の支払い額が500万円を超える人などですが、500万以下の給与に係る源泉徴収票であっても、e-Taxで提出した場合には、自動入力の対象となります。  ただし、会社が給与所得の源泉徴収票を提出していない場合、紙ベースで提出している場合は、対象外です。 準備するもの  マイナポータル連携のためには、①マイナンバーカードとパスワード(利用者証明用電子証明書のパスワード・数字4桁と署名用電子証明書のパスワード・英数字6文字~16文字)、②マイナンバーカードの読取機能のあるスマートフォン又はICカードリーダライタが必要となります。 事前準備手続き  マイナポータル連携を利用する為には、次のとおり事前設定が必要となります。 (1)マイナポータル登録(マイナポータルの開設) (2)「確定申告の事前準備」ページにアクセスして、取得したい証明書等を選択 (3)マイナポータルとe-Taxを連携した上で、マイナポータルと民間送達サービス(e-私書箱など)やねんきんネットと連携 (4)民間送達サービスと証明書等を発行する企業と連携 家族分の証明書等の取得  家族(被代理人)分の証明書等を取得する場合には、代理人の設定をする必要があります。

 年収が一定額を超えると所得税、社会保険料や厚生年金などの負担が発生することによって給料の手取りの金額が減少してしまう「年収の壁」の問題を巡り、厚生省は年収130万円超えても連続2年までなら扶養の枠内にとどまれるようにする方針を決定しました。2025年度に実施する予定の5年に実施する予定の5年に一度の年金制度改正までのつなぎ措置とし、2023年10月から実施されます。 「年収の壁」とは  企業で働くパート労働者の年収が103万を超えた場合、超えた部分に関しては所得税の納付義務が生じます。これが年収の壁です。  次に、従業員が101人以上の企業で働くパート労働者の場合は「106万円」、従業員が100人以下の企業では「130万円」を年収が超えた場合には、厚生年金や健康保険、介護保険などの社会保険料を支払う義務が生じます。特に年収が130万円以下の場合は扶養者(夫又は妻、親など)の社会保険に加入できるため、社会保険は免除されますが130万円を超えたが場合は自身で会社の社会保険に加入し社会保険料を支払うか、国民健康保険に加入する必要があります。 今回の変更店  まず「年収106万円の壁」に対する厚労省の対策としては、「壁」を超えた場合であっても労働者の手取りが減らないよう賃上げ、また勤務時間を引き延ばした企業や、扶養から外れた労働者が社会保険に加入した場合、労働者の社会保険料を手当の支払いなどで支援した企業に対して新たに助成することなどがあります。  次に「年収130万円の壁」に関しては、厚労省が労働者の年収が130万円を超えた場合であっても扶養にとどまれるよう、雇用主が一時的な収入増だと証明し、健康保険組合などが個別に判断する仕組みを取り入れるとともに、手続きのための書類もより簡素化します。

医療費控除  1月1日から12月31日までの間に本人または同一生計の配偶者その他の親族のために医療費を支払った場合、その支払った医療費の額が一定額を超えるときは、一定額を医療費控除として、所得金額から控除することができます。 医療費控除の金額  医療費控除の金額は、「その年に支払った医療費の額-保険金などで補てんされる金額ー10万円(その年の総所得金額が200万円未満の場合は、総所得金額等×5%)」で、200万円が上限となります。保険金などで補填される金額には、生命保険契約などで支給される入院費給付金や健康保険高額療養費・家族療養費・出産育児一時金などが含まれます。 対象となる医療費  医療費控除の対象となる医療費とは、次のようなものです。 ①医師または歯科医師による診療または治療の対価 ②治療または療養に必要な医薬品の購入の対価(風邪薬などは対象となりますが、ビタミン剤などの病気の予防や健康増進のためのものは対象外です) ③病院、診療所、介護老人保健施設等へ収容されるための人的役務の提供の対価 ④あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師による施術の対価(疲れを癒したり、体調を整えるといった治療に直接関係ないものは対象外です) ⑤保健師、看護師、准看護士による施術の対価(家族や親類縁者に対する付添料等は対象外です) ⑥助産師による分娩の介助の対価 ⑦病院等への通院費、医師等の送迎費、入院の際の部屋代や食事代の費用、コルセットなどの医療用器具等の購入代・賃貸料で通常必要なもの(自家用車で通院する場合のガソリン代等は対象外です) ⑧医師等による診療や治療を受けるために直接必要な、義手、義足、松葉杖、補聴器、義歯、眼鏡などの購入費用 医療控除の手続き  医療費控除の適用を受けるためには、確定申告が必要です。 その際、医療費の領収証に基づいて必要事項を記載した「医療費控除の明細書」または医療保険者が発行する一定の「医療費通知」を添付することになります。 セルフメディケーション税制  医療費控除の特例として、セルフメディケーション税制があり、通常の医療費控除に代えて適用する(選択適用)ことができます。セルフメディケーション税制は、健康の保持増進および疾病の予防への取組として一定の取組(検診・予防接種等)を行っている人が、本人または同一生計の配偶者その他の親族のために一定額を超える特定一般用医薬品等(スイッチOTC医薬品等)購入費を支払った場合に、適用することができます。医療費控除額は、「特定一般用医薬品等購入額-保険金などで補填される金額-12.000円」で、88.000円が上限となります。

 9月19日、国土交通省は7月1日時点の全国の「基準地価」を公表しました。それによると、全国的には昨年より0.1%プラスとなり、1992年以来、31年ぶりにプラスに転じました。 基準地価とは  「基準地価」は、土地の取引価格の目安や、地方公共団体などによる買収価格の算定基準となります。また、「基準地価」における区分は「住宅地」、オフィスや商業施設などの「商業地」のほか、工場や物流施設などが立地する「工業地」などがあります。  公的機関が公表する地価の指標は、「基準地価」以外にも、国交省が3月に公表する「公示価格」と、国税庁が夏に公表する「路線価」があります。どちらも1月1日時点の地価を算出するのに対し、基準地価は7月を調査時点とするため年半ばの動向を把握しやすくしています。 令和5年度の「基準地価」  住宅地では全国平均で前年比0.7%、三大都市圏で2.2%、地方圏は主要四市(札幌・仙台・広島・福岡)を含めた全体で前年比0.1%上昇しています。また、商業地では全国平均1.5%,三大都市圏は4.0%の上昇でした。 背景と今後  「住宅地」は、政府の低金利政策などを背景に順調な住宅需要があり、それが都市部から地方部へと波及した形です。また、住宅市場の売れ行きが現在、とても好調であり、海外からの投資マネーに支えられたことなども上昇の背景として考えられます。  「商業地」は熊本や北海道などの新たな半導体工場の進出だけではなく、コロナウイルスが収まりつつある中での、外人観光客が増加した事などが背景にあります。しかしながら、地域によって明暗が分かれており、商業地の全調査地点、約2万件のうち半数以上の地点が、いまだコロナウイルス前の価格を下回っております。

扶養控除の改正  令和5年分以降の所得税について、扶養控除の改正が行われており、国外居住親族に関して対象となる扶養親族の範囲が縮小されています。令和5年分の年末調整において、この改正への対応が必要です。 扶養親族の範囲の縮小  扶養親族の対象者について、年齢30歳以上70歳未満の非居住者(国外居住親族)であって次に揚げる者のいずれにも該当しないものが除外されています。 ①留学により国内に住所及び居所を有しなくなった者 ②障害者 ③扶養控除の適用を受けようとする居住者からその年において生活費又は教育費に充てるための支払を38万円以上受けている者 必要書類-海外留学者  令和5年1月以後の給与等に係る源泉徴収額の計算において、その扶養親族が年齢30歳以上70歳未満の非居住者であって上記①に掲げる者に該当するものとして扶養親族等の適用を受けようとする居住者は、その旨及びその該当する事実を記載した扶養控除等申告書を申告書を提出するとともに、現行の親族関係書類に加えて、その非居住者である扶養親族が上記①に掲げる者に該当する旨を証する書類(留学ビザ等相当書類)の提出等をしなければならないこととされています。 留学ビザ等相当書類  留学ビザ等相当書類とは、外国政府又は外国の地方公共団体が発行したその非居者である扶養親族に係る外国における査証に類する書類の写し又は外国における在留カードに相当する書類の写しであって、その非居住者である扶養親族が出入国管理及び難民認定法の留学の在留資格に相当する資格をもってその外国に在留することにより国内に住所及び居所を有しなくなった旨を証するものをいいます。なお、留学ビザ等相当書類が外国語で作成されている場合には、その翻訳分を添付する必要があります。 必要書類-38万円以上送金受領者  給与等の年末調整において、その扶養親族が年齢30以上70歳未満の非居住者であって上記③に掲げる者に該当するものとして扶養控除の適用を受けようとする居住者は、その年の最後の給与等の支払いを受ける日の前日までに、その旨及びその該当する事実を記載した非居住者である扶養親族に係る扶養控除の適用について、扶養控除等申告書を提出するとともに、その非居住者である扶養親族が上記③に掲げる者に該当することを明らかにする書類(38万円以上の送金関係書類)の提出等をしなければならないこととされています。 38万円以上の送金関係書類  38万円以上の送金関係書類とは、現行の送金関係書類であって、その居住者から非居住者である扶養親族である各人へのその年における生活費又は教育費に充てるための支払の金額の合計額が38万円以上であることを明らかにする書類をいいます。

 総務省は、このほど令和4年度のふるさと納税の寄附額や寄附件数を公表しました。それによると、寄附額が前年度比16%増加し約9,654億円、受入件数は前年度比16.6%増加し約5,184万件でいずれも過去最高でした。特に寄附額が過去最高の金額となるのは3年連続で一兆円突破も目前の水準です。今回は令和4年度データを地域ごとに見るとともに、今後の当制度についても考えて行きたいと思います。 1.地域ごとのふるさと納税の寄附額など  最高寄附額の市町村は宮崎県都城市で195億9,300万円、次に北海道紋別市が194億3,300万円、北海道根室市が176億1,300万円と続きます。  また、ふるさと納税の利用拡大に伴い利用者が居住する自治体に収める住民税からの控除額も増大しています。令和4年度の寄附による住民税控除額は6,798億円、控除の適用者数は、891万人で、過去最高でした。なお、制度利用者が多い自治体ほど税収が減ります。令和5年度に最も税収が減るのは東京都内の1,689億円、市区町村別では横浜市の272億円でした。 2.「ふるさと納税」にたいする厳格化  総務省は返礼品競争の過熱を防ぐため、5割以下に抑えるという基準を設けており、加熱した自治体に改善を求める通知を出しています。総務省は19年に導入したふるさと納税の対象自治体を指定する制度で、返礼品調達費を寄附額の3割以下、全体の経費が寄附金額の5割を超えた自治体が2021年度に136に達するなど遵守されているとは言いがたい状況です。 3.今後  政府としても、ふるさと納税に対してより一段の厳格化を考えています。今後は返礼品調達費を全体の5割以下とするという基準お遵守のため、自治体が返礼品の内容等をグレードダウンしたり、返礼品は同じでも金額を上げたりするなどの動きが顕在化することもあり得ます。

電磁的記録の保存  所得税、法人税では、取引に関して相手方から受け取った注文書、領収書等や相手方に交付したこれらの書類の写しについて、保存義務があります。  令和6年1月からは、電子取引を行った場合には、書面による保存ではなく、その電子取引の取引情報に係る電磁的記録を一定の方法によって保存しなければならないことになります。 電子取引  電子取引とは、取引情報(取引に関して受領し、または交付する注文書、契約書、送り状、領収書、見積書その他これらに準ずる書類に通常記載される事項)を電磁的方式により授受する取引を言います。  電子取引には、インターネット等による取引、電子メールにより取引情報を授受する取引、いわゆるEDI取引などが該当します。 電子メールによる取引の保存  電子メールにより取引情報を授受する取引(添付ファイルによる場合を含みます)を行った場合も電子取引に該当する為、その取引に係る電磁的記録の保存が必要となります。  電子メール本文に取引情報が記載されている場合にはその電子メール自体を、電子メールの添付ファイルにより取引情報(領収証等)が授受されている場合には、その添付ファイルを、ハードディスクやコンパクトディスク、DVD、クラウド(ストレージ)サービス等に記録・保存することになります。 インターネットバンキングによる振込  インターネットバンキングを利用した振り込み等も、電子取引に該当するため、金融機関の窓口で振込等を行ったとした場合に受領する書面の記載事項(振込等を実施した取引年月日・金額・振込先名等)が記載されたデータの保存が必要です。 従業員による経費の立替払い  従業員が会社の経費等を立て替えた場合、その従業員が支払先から領収証を電子データで受領した行為については、会社としての電子取引に該当する事になるため、電子データの保存が必要となります。  この場合の電子取引データについては、従業員から集約し、会社として取りまとめて保存し、管理することが望ましいとされています。  ただし、集約するまでの一定の間、従業員のパソコンやスマートフォン等に電子データは保存しておきつつ、検索機能を損なうことがないよう会社としても日付、金額、取引先の検索条件に紐づく形でそうした保存状況にあることを情報として管理しておくことも認められるとされています。 書面でも受領する場合  電子取引で受け取った取引情報について、同じ内容のものを書面でも受領した場合に、書面を正本として取り扱うことを取り決めている時には、その書面の保存のみで足りることになります。  ただし、書面で受領した取引情報を補完するような取引情報が電子データに含まれているなどその内容が同一でない場合には、書面と電子データの両方を保存する必要があります。