路線価6年ぶりに下落

Posted on 22/11/2021 by Koji Takahashi

国税庁は7月1日、2021年分の土地の路線価(1月1日時点)を公表しました。標準宅地の標準基準額は全国平均で前年を0.5%下回り、6年ぶりに下落しました。

1.路線価とは
路線価とは、国税庁が相続税・贈与税の土地評価額を算出するための価額です。路線価は各道路に価額が設定されており、公示価格(時価)の80%程度が路線価の価格になるように設定されています。ただし、80%程度はあくまでも目安ですので注意が必要です。

2.令和3年分の路線価の動向
「新型コロナウイルスの影響により下落傾向で弱含み」となっています。地方圏よりも3大都市圏の下落が大きく、特に大阪局管内は、新型コロナウイルスによるインバウンド消滅の影響で他局に比べて下落幅が大きいです。
最高路線価が上昇した県庁所在都市は、札幌、仙台、宇都宮、千葉、横浜、福井、佐賀、大分の8都市で上昇率はいずれも5%未満でした。下落率が一番大きかったのは奈良市内の大宮通で12.5%です。
全国で路線価が最も高かったのは、東京都中央区銀座の鳩居堂前で36年連続となりましたが、9年ぶりに下落し、下落率は7%でした。
なお、同庁では、令和3年分も前年と同様に地価動向を調査していく方針で、もしも大幅に地価が下落し、路線価が時価を上回った場合は、減額補正を行うとしています。

3.留意点
路線価はすべての道路に金額が設定されているわけではありません。したがって、路線価を知りたい場合は、国税庁ホームページで確認する必要があります。路線価が公表されていない土地は路線価方式ではなく、固定資産税評価額に一定倍率を掛け合わせて算出する倍率方式により相続税評価額を算出することになります。