相続土地国庫帰属制度がスタートします

Posted on 16/06/2023 by Koji Takahashi

 令和5年4月27日から、相続または遺贈によって土地の所有権を取得した相続人が一定の条件を満たした場合に土地を手放して国庫に帰属させることを可能にする『相続土地国庫帰属制度』がスタートします。現在、全国の法務局・地方法務局の窓口で対面面談・電話相談が始まりました。

①相続土地国庫帰属制度とその概要
 相続等によって、土地の所有権又は共有持分を取得した者は、法務大臣に対して、その土地の所有権を国庫に帰属させることについて、承認を申請することができます。そして、法務大臣は、承認の審査をするために必要と判断したときは、その職員に調査をさせ、法務大臣は、承認申請された土地が、通常の管理や処分をするよりも多くの費用や労力がかかる土地として法令に規定されたものに当たらないと判断したときは、土地の所有権の国庫への帰属について承認します。土地の所有権の国庫への帰属の承認を受けた方が、一定の負担金を国に納付した時点で、土地の所有権が国庫に帰属します。

②申請の対象者
 相続又は、相続人に対する遺贈によって土地を取得した人が申請可能です。また、共有者も申請できます。相続等により、土地の共有持分を取得した共有者は、共有者の全員が共同で申請を行うことによって、本制度を活用することができます。施行前に相続した土地も対象です。

③申請するには
 申請先は、寄贈の承認申請をする土地が所在する都道府県の法務局・地方法務局(本局)の不動産登記部門が申請先となります。辯護士、司法書士、行政書士に限り書類作成を依頼することができます。申請することができるのは本人及びその法定代理人のみとなっています。負担金は土地の性質に応じた恭順的な管理費用を考慮して算出した10年分の土地管理費用相当額となっています。