消費税率引上げ予定とその対策
6月26日に消費税増税関連法案が衆院を通過したことで、平成26年4月1日から消費税率
は8%、その1年半後からは10%(ともに地方消費税を含みます)になることが予定されていま
す。今回は、3%から5%に税率が引き上げられた時期の経過措置の復習と、低所得者対策の
類型についてまとめてみたいと思います。
1.経過措置について
経過措置の中で、最も重要な箇所は、税率アップ後も、一定の取引について、増税前の税率
を適用できる措置であり、工事の請負など取引金額が大きいもの、リース契約など長期間にわ
たり適用されるものが特に重要となります。
経過措置は、ふたつの税率が混在することで起こる問題を緩和する狙いで設けられるわけで
すが、今回の予定では、税率が8%の期間はわずか1年半で平成27年10月1日には10%に引
き上げられる予定となっています。前回の経過措置の例では適用日の半年前までの契約が境
目となっていた例もあり、またそうでない例もありました。経理の現場で大きな混乱が起こらない
ような充分な準備が必要となりそうです。
2.逆進性(低所得者層)対策
算出した所得税額から一定額を税額控除して控除しきれなかった金額については現金を給
付するという制度です。米、英、独、仏などで実施されていますが、インフラとして番号制度の導
入が不可欠となります。
3.軽減税率の導入議論
食料品等の生活必需品の税率を低めに設定する軽減税率の導入も検討されています。
例えば、ドイツでは同一のファーストフードのハンバーガーでも、店内飲食は外食扱いで標準
税率19%ですが、テイクアウトだと食料品扱いで軽減税率7%が適用されます。これら軽減税率
の基準作りは並大抵のことではありません。
今後の動向を注視しなければなりません。