法人税における租税特別措置の適用実態調査

Posted on 25/09/2015 by Koji Takahashi

最近法人税の確定申告書に添付が義務づけられている「適用額明細書」から租税特別措置法のどの特例が多く利用されたのかの調査結果が、国会に提出されました。

1.適用額明細書とは

この明細書の提出は、租税透明化法がその根拠で、産業政策のため税負担を軽減する租税特別措置法の規定が本当に効果があったかを検証するためにその作成が義務づけられています。

ある特定の業界への実は隠れた補助金になっていないかをチェックする役割もあります。また一方で、この調査結果が今後の税制改正の方向性に影響を与えます。

2.調査概要

平成25年4月決算~26年3月決算までの法人申告分の集計で、一番は年800万円以下の所得金額に対する軽減税率の適用で、744,488件、金額は2兆7,112億円となっています。

3.適用件数が少ない例

沖縄の観光地形成促進地域において工業用機械等を取得した場合の法人税額の特別控除は0件、特定の資産の買換えの場合等の課税の特例のうち、誘致地区の外から内への買換えが2件、公害防止用設備の特別償却が3件となっており、これらが目立つところです。

4.適用件数が多かった例

中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例が約46万件弱、中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却が2万8千件弱、同制度の法人税額の特別控除が2万3千件弱となっています。

5.適用額合計の割合が高い措置

沖縄の情報通信産業振興地域において工業用機械等を取得した場合の法人税額の特別控除の制度が99.9%、特定再開発建築物等の割増償却が98.6%、障害者を雇用する場合の機械等の割増償却が98.5%となっていました。