教育資金贈与の非課税制度利用状況

Posted on 20/01/2015 by Koji Takahashi

一般社団法人信託協会から教育資金贈与の非課税制度の受託状況が公表されました。興味ある結果ですのでチェックしたいと思います。
1.平均信託財産設定額
この制度は、祖父母(贈与者)が一定の金融機関に子・孫(受贈者)名義の口座を開設し、教育資金を一括して拠出した場合には、子・孫ごとに1,500万円まで非課税とする内容です。
一昨年から開始された制度ですが、2014年6月末時点の契約数は7万7千件弱、信託財産設定額合計は5千2百億円弱となっており、1件当たりの平均信託財産設定額は約676万円となっています。
2.受益者向けアンケート結果
教育資金贈与信託に関する受益者向けアンケートでは次のような興味深い結果が出ています。全体の利用者の約70%が子供の教育について「考える機会が増えた」「考えるきっかけとなった」と回答しています。
また、「教育費にかかる家計負担が軽減された」と回答した者が利用者の大多数の95%となっています。
3.改善要望
① 「領収書等の記載事項の簡略化を希望する」と回答した利用者は全体の61%となっています。現状教育資金かどうかのチェックは、払い出しの際に金融機関が領収書等の提出を受けたときに行い、その書類はその後すべて保管されるシステムとなっているからです。
② 「口座に残っていた資金に一定時期に贈与税がかかることを緩和して欲しい」と回答している割合は利用者の52%と過半数を超えています。
原状子・孫の口座は30歳に達する日に終了し、口座に残額あればその日において贈与があったものとして贈与税が課税されるからです。
今後、適用時期や適用内容の改正など、この制度の動向から目がはなせません。