中小企業等経営強化法と税制措置における優先採択
中小企業や個人事業主にとって、設備投資を行い生産性を高めたいとする考え方は当然のことです。これを税制面から支援する二つの措置と、これらの措置の適用を受けるために必要な「中小企業等経営強化法」の認定、について整理してみます。
1.中小企業等経営強化法とは
平成28年7月1日に施工された法律で、中小企業・小規模事業者等の経営強化を図るため、事業所管大臣が事業分野ごとに指針を策定するとともに、取組を支援するための措置等が規定されています。この規定にともない「経営力向上計画」の認定を受けた事業者は、税制や金融の支援等を受けることができます。
2.中小企業経営強化税制(平成29年4月1日~31年3月31日)
中小企業者等が上記の(1)の強化法を受けた経営力向上計画に基づき一定の設備を新規取得し、指定事業の用に供した場合、即時償却または税額控除を選択適用することができる制度です。なお、対象設備は、a. 機械装置、b. 建物付属設備、c. 工具(測定・検査工具)、d. 器具備品などですが取得価額70万円以上の一定のソフトウエアも含まれます。
3.固定資産税の特例(平成29年4月1日~31年3月31日)
中小企業者等が上記1.の強化法の認定を受けた経営力向上計画に基づき一定の設備を新規取得した場合、固定資産税が3年間2分の1に軽減されます。この特例は赤字法人の支援策として有効とされています。
4.その他
中小企業等経営強化法の認定がなくても利用できる税制(平成31年3月31日まで)として次の二つの税制があります。
① 中小企業投資促進税制
中小企業者等が、機械装置等を導入した場合に、取得価額の30%特別償却または7%の税額控除が選択適用できます。
② 商業・サービス業・農林水産業活性化税制
商業・サービス業等を営む中小企業者等が経営改善に資する器具備品や建物付属設備を導入した場合も①と同様です。