NISAの抜本的な拡充と恒久化について

Posted on 15/09/2023 by Koji Takahashi

 NISA(少額資産非課税制度)について、令和5年度税制改正大綱によって、その仕組みが全面的に見直され、大幅に拡充されたうえで、制度が恒久化することとなりました。

1.NISAとは
 通常、株式や信託投資などの金融商品に投資した場合、これらを売却して得た利益や配当に対して、約20%の税金がかかります。しかしながら、NISAは個人の資産運用を後押しするために作られた税制の優遇制度で「NISA口座」内では購入した株式や投資信託などの売却益や配当金が一定の範囲内で非課税となります。

2.現在のNISA
 現在は、株式や投資信託が購入できる「一般NISA」と長期の運用を想定して投資対象を一定の投資信託に限定した「つみたてNISA」があります。いずれも期限付きの措置で資産の購入額に上限が設けられています。「一般NISA」は投資期限が2028年までで非課税で保有できる期間は最長5年間となっていて、年間の購入額の上限は120万円です。一方、「つみたてNISA」は投資期限が2042年まで非課税で保有できる期間は最長20年間で、年間の購入額の上限は40万円で非課税で保有できます。この制度はどちらか1つしか選ぶことはできません。

3.主な改正点
 今回まとまった新な制度では、長期の積み立てを目的に投資信託だけを購入対象とする「つみたて投資枠」と、上場企業の株式などを購入できる「成長投資枠」を設けます。新制度は2024年1月からスタートし、どちらも利用できるようにします。そのうえで、指導は恒久的なものとして、非課税で保有できる期間も無制限とします。また、年間の投資の上限額については、「つみたて投資枠」が120万円、「成長投資枠」が360万円とします。ぜひNISAの活用を再考してみてはどうでしょうか。