重加算税の加重措置

Posted on 20/12/2017 by Koji Takahashi

1.重加算税

納税者がその国税の課税標準等または税額等の計算の基礎となるべき事実の全部または一部を隠ぺいし、または仮装し、その隠ぺいし、または仮装したところに基づき納税申告書を提出していたときには、重加算税が課税されることになります。

重加算税の割合は、原則として、過小申告加算税または不納付加算税に代えて課される(徴収される)ものは35%、無申告加算税に代えて課されるものは40%となっています。

2.隠ぺいまたは仮装

隠ぺいまたは仮装には、法人税の場合、たとえば次のような行為が該当します。

① いわゆる二重帳簿を作成していること

② 帳簿書類の破棄または隠匿、帳簿書類の改ざん、虚偽記載、帳簿書類への記載をせず、売上その他の収入の脱ろうまたは棚卸資産の除外などの事実があること

③ 簿外資産に係る利息収入、賃貸料収入等の果実を計上していないこと

④ 簿外資産をもって役員賞与その他の費用を支出していること

3.隠匿、虚偽記載等に該当しない場合

次のような場合、相手方との通謀または証ひょう書類等の破棄、隠匿若しくは改ざんによるもの等でないときは、帳簿書類の隠匿、虚偽記載等には該当しません。

① 売上げ等の収入の計上を繰り延べている場合において、その売上げ等の収入が翌事業年度の収益に計上されていることが確認されたとき

② 経費の繰上計上をしている場合において、その経費がその翌事業年度に支出されたことが確認されたとき

③ 棚卸資産の評価換えにより過小評価をしている場合

④ 確定した決算の基礎となった帳簿に、交際費等または寄附金のように損金算入について制限のある費用を単に他の費用科目に計上している場合

4.重加算税の加重措置

期限後申告等があった場合において、その期限後申告等があった日の前日から起算して5年前の日までの間に、その期限後申告等に係る税目について重加算税を課されたことがあるときは、その期限後申告等に基づき課する重加算税の額は、その期限後申告等に基づいて納付すべき税額に10%の割合を乗じて計算した金額を加算した金額とすることとされました。

加重措置が適用された場合の重加算税の割合は、過小申告加算税または不納付加算税に代えて課される(徴収される)ものは45%、無申告加算税に代えて課されるものは50%、となります。

5. 適用関係

この加重措置は、平成29年1月1日以後に法定申告期限等が到来する国税について、期限後申告等があった場合に適用されます。

平成28年12月31日以前に法定申告期限等が到来した国税に係る期限後申告等に基づき課される重加算税には、この加重措置の適用はありません。