教育資金の贈与税非課税制度

Posted on 25/06/2013 by Koji Takahashi

1.非課税制度
平成25年4月1日から平成27年12月31日までの間に、30歳未満の個人が、祖父母等の直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合、1500万円まで(ただし、次の②については500万円まで)の部分については、贈与税が非課税とされました。

2.教育資金の意義

非課税の対象となる教育資金とは、次のものをいいます。

①学校教育法に規定する学校、専修学校、各種学校、保育所、認定こども園その他これらに類する施設を設置する者(学校等)に直接支払われる入学金、授業料及び入園料並びに施設設備費その他の文部科学大臣が財務大臣と協議して定める金銭

②学校等以外の者(学習塾、スポーツ教室、ピアノ教室、絵画教室など)に、教育に関する役務の提供の対価、施設の使用料その他の受贈者の教養、知識、技術又は技能の向上のために直接支払われる金銭として文部科学大臣が財務大臣と協議して定めるもの

3.教育資金管理契約

この非課税規定は、教育資金管理契約に基づいて贈与が行われることが要件となりますが、教育資金管理契約とは、個人(受贈者)の教育に必要な教育資金を管理することを目的とする契約であって、信託銀行との間の一定の信託に関する契約、銀行等との間の預貯金に係る一定の契約、証券会社等との間の有価証券の保管の委託に係る一定の契約をいいます。

4.申告要件

この非課税規定は、適用を受けようとする受贈者が教育資金非課税申告書を取扱金融機関の営業所等を経由して、納税地の所轄税務署長に提出した場合に限り、適用されます。

なお、教育資金非課税申告書が取扱金融機関の営業所等に受理されたときは、その受理された日に税務署長に提出されたものとみなすこととされます。

5.領収書等の提出

この規定の適用を受ける受贈者は、教育資金の支払に充てた金銭に係る領収書等を取扱金融機関の営業所等に提出しなければならないこととされています。

6.教育資金管理契約の終了

この教育資金契約管理は、次の場合に終了することになります。

①受贈者が30歳に達した場合

②受贈者が死亡した場合

③口座等の残高がゼロになり、かつ、教育資金口座に係る契約を終了させる合意があった場合

7.贈与税の課税

上記の①または③に掲げる事由に該当したことにより教育資金管理契約が終了した場合において、教育資金支出額を控除した残額があるときは、その残額については、その終了した日の属する年分の贈与税の課税対象となります。

ただし、受贈者が死亡した場合には、残額があっても贈与税の課税対象にはなりません。