令和3年地価公示をみる
Posted on 04/08/2021 by Koji Takahashi
地価公示法に基づき、国土交通省が適正な地価の形成に寄与するために、毎年1月1日時点における標準値の正常な価格を3月に公示しています。
この結果は、社会経済活動についての制度インフラとなっていますが、最新の地価公示について、その概要をまとめてみます。
1.地価公示の主な役割5点
①一般の土地の取引に対して指標を与えること、
②不動産鑑定の基準となること、
➂公共事業用地の取引価格算定の基準となること、
④土地の相続評価および固定資産税評価についての基準となること、
⑤国土利用計画法による土地の価格審査の基準となること
などです。
2.令和3年地価公示結果の概要
令和2年1月以降の1年間の地価については、次の4点にその概要はまとめられます。
①全国平均では、全用途平均は平成27年以来6年ぶりに下落に転じました。用途別では、住宅地は平成28年以来5年ぶりに、商業地は平成26年以来7年ぶりに下落に転じ、工業地は5年連続の上昇ですが上昇率が縮小しました。
②三大都市圏平均をみますと、全用途平均・住宅地・商業地はいずれも、平成25年以来8年ぶりに下落となり、工業地は7年連続上昇ですが、上昇率が縮小しました。
➂地方圏をみますと、全用途平均・商業地は平成29年以来4年ぶりに、住宅地は平成30年以来3年ぶりに下落に転じて、工業地は4年連続の上昇ですが、上昇率は縮小しました。
④新型コロナウイルス感染症の影響により全体的に弱含みとなっていますが、地価動向の変化の程度は用途や地域によって異なります。昨年からの変化は、用途別では商業地が住宅地より大きく、地域別では商業地が住宅地より大きく、地域別では、三大都市圏が地方圏より大きい結果となっています。