通勤手当の非課税限度額 ~月額10万円から15万円へ~
Posted on 10/06/2016 by Koji Takahashi
今回の税制改正で通勤手当の非課税限度額は現行の月額10万円から月額15万円に引上げられました。適用時期は、平成28年1月1日以後の通勤手当から適用されることになります。
1.考え方
給与所得を有する者で通勤者が、その通勤に必要な交通機関の利用又は交通用具の使用のために支出する費用に充てるものとして通常の給与に加算して受ける通勤手当のうち、一般の通勤者につき通常必要であると認められる部分のうち「一定の金額」については、非課税とされています。
2.「一定の金額」とは
通勤のための運賃、時間、距離等の事情に照らし最も経済的かつ合理的と認められる通常の経路及び方法による乗車券の価額をいいます。1月当たりの金額が15万円(旧10万円)を超えるときは1月当たり15万円となりました。なおこの場合、新幹線を利用した場合に要する運賃の額も含まれますが、いわゆるグリーン料金は含まれません。
今回の改正は、通勤圏拡大を考慮して15年振りに10万円から15万円に引上げられました。
なお、平成26年10月には人事院勧告を受け、自動車その他の交通用具を使用している人に支給する非課税となる通勤手当の限度額が拡大され片道55㎞以上の枠が新設されています。
3.法人税関連
所得税において非課税となる通勤手当等については、その金額は旅費交通費として損金に算入できます。一方、所得税において非課税とならない通勤手当については、それを支給された役員又は従業員に対する給与として処理されることになります。
4.消費税関連
通勤手当等のうち、その通勤者がその通勤に必要な交通機関の利用又は交通用具の使用のために支出する費用に充てるものとした場合に、その通勤に通常必要であると認められる部分の金額は、課税仕入れにかかる支払対価に該当します。