給与所得者の還付申告

Posted on 14/01/2014 by Koji Takahashi

1.還付申告

今年も確定申告の季節がやってきました。給与所得者については、通常は、年末調整によって課税関係が完結するので、給与所得以外の所得がある場合や給与の収入金額が2,000万円を超えるため年末調整の対象とならない場合などを除いて確定申告をする必要はありません。

しかしながら、一定の場合には確定申告(還付申告)をすれば、所得税の還付を受けることができます。

ここでは、どのような場合に還付申告ができるかをみていくことにしましょう。

2.医療費控除の適用を受ける場合

本人または同一生計親族の医療費を支払い、その医療費の額(保険金などで補てんされる金額は差し引きます)が10万円(その年の総所得金額が200万円未満の人は、総所得金額の5%の金額)を超える場合が医療費控除の対象となります。

3.雑損控除の適用を受ける場合

災害、盗難、横領によって、生活に通常必要な住宅、家具、衣類などの資産について一定の損害を受けた場合等が雑損控除の対象となります。

4.寄付金控除の適用を受ける場合

国や地方公共団体、特定公益増進法人、認定NPO法人、公益社団・財団法人などに対して特定寄付金を支出した場合が、寄付金控除の対象となります。

なお、政治活動に関する寄付金、認定NPO法人等、公益社団・財団法人等に対する寄付金のうち一定のものについては、所得控除に代えて、寄付金税額控除の選択が可能です。

5.特定支出控除の適用を受ける場合

特定支出をした場合に、その金額がその年の給与所得控除額の2分の1(給与等の収入金額が1,500万円を超える場合には125万円)を超えるときは、特定支出控除の対象となります。

なお、特定支出とは、①通勤費、②転居費、③研修費、④資格取得費、⑤帰宅旅費、⑥勤務必要経費、のうち一定のものをいいます。

6.住宅借入金等特別控除の適用を受ける場合

住宅ローン等を利用して、居住用不動産の取得等をした場合で、一定の要件を満たすときは、(特定増改築等)住宅借入金等特別控除の対象となります。

(特定増改築等)住宅借入金等特別控除は、2年目以降は年末調整の際に適用を受けることができます。

なお、住宅ローンがなくても、認定長期有料住宅の取得等をした場合で、一定の要件を満たすときは、認定(長期優良)住宅新築等特別税額控除の対象となります。

7.年の中途で退職した場合

年の中途で退職し、年末調整の適用を受けていない場合、確定申告をすれば、一般的には、所得税の還付が受けられることになります。

8.確定申告の時期

確定申告書を提出する義務のない人の還付申告については、確定申告期間とは関係なく、その年の翌年1月1日から5年間、行うことができます。