雇用促進税制とその利用実績
Posted on 05/09/2013 by Koji Takahashi
一定の要件全てを満たし人員増員を行った企業に対しての雇用促進税制は、一人当たり20万円の税額控除が受けられる制度です。この制度がどの位の利用割合かの報告は先般より導入されている租税透明化法による適用額明細書による適用実態調査の結果で明らかになっています。
1.制度適用の要件
① 前期もしくは当期に事業主都合による離職者がいないこと
② 基準となる従業員が5人以上(中小企業は2人以上)であること
③ 全従業員の10%以上の増員であること
④ 給与の支給額が比較給与支給額以上であること
⑤ 雇用保険法第5条第1項に規定する適用事業を行っていること
2.税額控除限度額
この控除限度額は基準従業員に20万円を掛けた金額になります。ただし、税額控除限度額が事業年度の法人税額の10%(中小企業は20%)相当を超える場合は、その相当額が限度額となります。なお、平成25年度税制の大綱では、この雇用促進税制を拡充し税額控除額を増加雇用者数一人当たり20万円から40万円へ引き上げることが記載されています。
3.留意点
この制度の適用件数は平成24年3月期決算までの1年間で1313件、適用総額は21億円となっています。また、利用度合いの高い法人を業種別でみてみますと、サービス業が49.1%、小売業が9.7%、運輸通信交益業が6.7%となっています。
また、この制度でいう従業員には、役員の特殊関係者および使用人兼務役員を除く、いわゆる法人の使用人のうち雇用保険の一般被保険者である人を指しますので、その範囲を間違わないようにして下さい。