個人と会社の「接待費」「交際費」
Posted on 23/08/2018 by Koji Takahashi
税の計算のうえで悩ましい勘定科目「接待交際費」の基本的な考え方をまとめてみます。
1.個人
所得税関係の法令には「必要経費」についての一般的な規定があるだけで、とくに交際費等に関する具体的な定義はありません。青色申告者の場合は、取引の記録などに基づいて業務の遂行上直接必要であったことが明らかにされる部分の金額を必要経費に算入できます。
① 接待費
その接待の相手方、接待の理由などからみて専ら業務の遂行上直接必要と認められるものに限り、必要経費に算入することができます。
②交際費
原則として必要経費に算入することはできません。しかし、その支出した金額のうち、相手方や支出の理由などからみて専ら業務の遂行上直接必要と認められるものに限り、必要経費に算入することができます。
③裁判例からの解釈
「接待ないし交際費は当該接待ないし交際の理由、相手方、金額等諸般の事情からみて、専ら事業の遂行上の必要に基づくものと考えれる場合に限って必要な経費になると言うべき」(大阪高判、昭51.10.14他)が過去の裁判例からみる家事関連費との区分の判断の基準となります。
2.法人
税制改正では、「交際費等の損金不算入制度」の適用基準が2年間延長されました。
① 交際費等
措置法では、「交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人がその得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するものをいう」とされています。その意義と範囲、要件等の一定の方向性は示されていますが、その解釈はかなり難解です。
② 資本金1億円以下の法人
これらの法人(大法人による完全支配関係がある法人等を除く)に設定されている交際費の定額控除限度額は、現在800万円となっています。