給与所得控除・基礎控除の改正

Posted on 12/07/2018 by Koji Takahashi

1.平成30年度税制改正

平成30年度税制改正により、所得税、個人住民税の給与所得控除、基礎控除の改正が行われました。

基本的には、給与所得控除額については、改正前より10万円減ることになり、代わりに基礎控除額が改正前より10万円増えることになり、差引で納税額に影響は出ないのですが、高額所得者については、その他の改正もあるため増税になることがあります。

2.給与所得控除の改正

給与所得控除額は、給与等の収入金額に応じて決まりますが、改正前より一律10万円減ることになります。

さらに、改正前の給与所得控除額の上限額は、220万円(給与等の収入金額1,000万円)でしたが、改正後の上限額は、195万円(給与等の収入金額850万円)に引き下げられました。

なお、給与所得控除の改正については、所得税と個人住民税に共通するものです。

3.所得金額調整控除の創設

その年中の給与等の収入金額が850万円を超える人で、①本人が特別障害者である場合、 ②年齢23歳未満の扶養親族を有している場合、 ③特別障害者である同一生計配偶者や扶養親族を有している場合には、所得金額調整控除として、給与等の収入金額(1,000万円を超える場合には、1,000万円)から850万円を控除した金額の10%に相当する金額が控除されることになります。

なお、所得金額調整控除の創設については、所得税と個人住民税に共通するものです。

4.基礎控除の改正(所得税)

基礎控除額は改正前の38万円から、改正後は48万円に増額されます。

ただし、合計所得金額が2,400万円を超え2,450万円以下である場合の基礎控除額は、32万円となり、合計所得金額が2,450万円を超え2,500万円以下である場合の基礎控除額は16万円となります。そして、合計所得金額が2,500万円を超える場合には、基礎控除額はゼロとなります。

5.基礎控除額の改正(個人住民税)

基礎控除額は改正前の33万円から、改正後は43万円に増額されます。

ただし、合計所得金額が2,400万円を超え2,450万円以下である場合の基礎控除額は、29万円となり、合計所得金額が2,450万円を超え2,500万円以下である場合の基礎控除額は15万円となります。そして、合計所得金額が2,500万円を超える場合には、基礎控除額はゼロとなります。

6.源泉徴収税額表等の改正

これらの改正に伴って、「別表第二 給与所得の源泉徴収税額表(月額表)」、「別表第三 給与所得の源泉徴収税額表(日額表)」、「別表第四 賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」、「別表第五 年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」も、改正されました。

7.適用関係

これらの改正について、所得税については平成32年分以降、個人住民税については平成33年分以降、適用されます。