令和3年度分の民間給与
Posted on 19/01/2023 by Koji Takahashi
このたび、国税庁は令和3年度民間給与実態統計調査の結果を公表しました。
1.調査結果の推移、概要
令和3年度の民間の給与所得者数は5,931万人と前年比3万人の増加と、ほぼ前年と数値の変化がなかった一方で、給与の総額は225兆4,195億円と前年比約6兆円(2.8%)増加し、同時に源泉徴収された所得税額も11兆1,870億円と前年比約8,500億円(8.2%)増加しました。
それと共に、一年を通して勤務した給与所得者の平均給料手当は、男女共に前年より増加し、443万円(前年比2.5%増加)でした。これは、平成20年度以降で見て、過去最高額であった平成30年度の441万円を3年ぶりの増加でもありました。
また、平均給料手当に関して、正社員と正社員以外で見ると、正社員が508万円(前年比2.6%増加)であるのに対して、正社員以外が198万円(前年比12.1%増加)と正社員以外の平均給料手当が前年と比べて、大幅に増加しました。平均賞与も67万円(前年比3.1%増加)と、前年より増加しました。
なお、業種別の平均給料手当と平均賞与では、電気・ガス・熱供給・水道業がトップで、給料手当は766万円、賞与は157万円です。
2.まとめ、背景
令和3年度の平均給料手当は全体で443万円と、コロナ前の平成30年度の441万円を超えて、3年ぶりに増加しました。また、正社員以外の平均給料手当が、最低賃金引き上げや令和3年4月から全企業に対して、「同一労働同一賃金」が適用されたことなどの社会的背景により増加しました。しかし、物価の上昇に対して賃金が増えていないと感じている人の方が多いと思います。資源価格の高騰や円安などによって、今後も物価の上昇は続いていく傾向が感じられます。