法定相続情報証明制度とは

Posted on 26/04/2019 by Koji Takahashi

相続登記促進策として「法定相続情報証明制度」が新設され、所有者不明土地問題や空き家問題等の改善が期待されています。

今回は、平成29年5月より開始したこの制度の基本的な流れなどをおさらいしたいと思います。

1.概要

相続登記の申請手続きや被相続人名義の預金の払い戻しなど各種相続手続きにおいて利用が可能で、この制度を利用することで、戸籍謄本の束を何度も出し直す必要がなくなります。

2.手続きの基礎

まず相続人が、登記所に対して①被相続人の出生から死亡までの戸籍関係の書類等、②その記載に基づく被相続人の氏名、最後の住所、相続人の氏名、住所、続柄の情報などを記載した、法定相続情報一覧図を提出します。

次に登記官がそれらの内容を確認したうえで、認証文付きの法定相続情報一覧図の写しを交付することになります。

3.今までの問題点

被相続人が本籍地を変更している場合には各地の役所で戸籍謄本を取得することが必要となり、さらに不動産登記をしている法務局や金融機関等が複数ある場合には各々の提出先毎に戸籍謄本等が必要となります。

この事は、戸籍謄本を収集する相続人等の負担のみならず、戸籍謄本を受け取る法務局などでも相続人の特定作業に時間がかかることになります。この煩雑な手続きが相続登記未了物件を増加させる原因となり、ひいては所有者不明不動産や空き家問題を引き起こしていると問題視されていました。

4.本制度の利用者

この制度の利用者は法定代理人の他に、弁護士、税理士、司法書士などの有資格者も代理人として利用することが可能です。