金銭の貸付けによる経済的利益

Posted on 29/05/2015 by Koji Takahashi

役員または使用人が使用者から金銭を無利息または一般の金利よりも低い金利で借り受けた場合、通常支払うべき利息相当額またはその金額と実際に支払っている利息との差額に相当する金額の経済的利益については、給与所得として課税されることになっています。

但し、一定の場合は、課税しなくて差し支えないこととなっているようですので、今回はそのケースをまとめてみます。

1.ケース1

災害、疾病等により臨時的に多額の生活資金を要することとなった役員または従業員に対して、その資金に充てるために貸し付けた金額につき、その返済に要する期間として合理的と認められる期間内に受ける経済的利益は課税しなくて差し支えありません。

従って、結婚式費用としての数百万円の貸付けの利子相当額や、自社株取得のために融資を受ける場合の利子相当額などはこのケースには当たりません。

2.ケース2

役員または使用人に貸し付けた金額について、使用者における借入金の平均調達金利(例えば、当該使用者が貸付けを行った日の前年中または前事業年度中における借入金の平均残高に占める当該前年中または前事業年度中に支払うべき利息の額の割合など合理的に計算された利率をいいます。)など合理的と認められる貸付利率を定め、これにより利息を徴している場合に生じる経済的利益は課税されません。

3.ケース3

上記1,2の貸付金以外の貸付金について受ける経済的利益で、その年またはその事業年度における利益の合計額が年5000円以下の場合の経済的利益は課税されません。