復興特別法人税の改正

Posted on 04/08/2014 by Koji Takahashi

1.復興特別法人税制度
復興特別法人税は、平成23年12月2日に公布された東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法によって創設されました。
法人は、基準法人税額について、復興特別法人税を納める義務があり、復興特別法人税の額は、法人の各事業年度の所得の金額に対する基準法人税額に10%の税率を乗じて計算した額とされています。
2.課税事業年度の短縮
平成26年度税制改正によって、復興特別法人税制度が改正されました。
従来は、復興特別法人税の課税の対象となる事業年度は、平成24年4月1日から平成27年3月31日までの期間(指定期間)内に最初に開始する事業年度開始の日から同日以後3年を経過する日までの期間内の日の属する事業年度とされていました。
今回の改正により、復興特別法人税の課税の対象となる事業年度は、平成26年3月31日までの期間(指定期間)内に最初に開始する事業年度開始の日から同日以後2年を経過する日までの期間内の日の属する事業年度となり、1年間短縮されました。
したがって、事業年度の変更などの事情がない限り、平成26年4月1日以後に開始する事業年度については、課税事業年度にはならないこととなりました。
3.事業年度変更の場合
事業年度変更などによって、復興特別法人税の課税対象となる事業年度の月数の合計が24月を超えることとなる場合には、その超えることとなる最後の課税事業年度の課税標準法人税額については、調整計算が行われます。
4.調整計算の方法
その最後の課税事業年度の課税標準法人税額は、その課税事業年度の月数に占める指定期間内に最初に開始する事業年度開始の日以後2年を経過する日までの期間の月数の割合を乗じて計算することになります。
これによって、事業年度の変更があった場合でも、復興特別法人税の課税対象となる期間は24月(2年間)となります。
5.復興特別所得税の控除
復興特別所得税については、平成25年から平成49年までの各年分の基準所得税額に2.1%の税率を乗じた額が課税されることになっています。
法人が源泉徴収の対象となる利子及び配当等に課される復興特別所得税の額を有する場合には、復興特別法人税の額から控除することとされています。
復興特別法人税の課税対象期間の短縮にともなって、復興特別法人税の課税対象とならない事業年度については、利子及び配当等に課される復興特別所得税の額を所得税の額とみなして、利子及び配当等に課される所得税の額と合わせて各事業年度の法人税の額から控除することとされました。
なお、復興特別所得税の額で法人税の額から控除しきれなかった金額があるときは、その金額は還付されることになります。