年末調整における社会保険料控除

Posted on 05/12/2016 by Koji Takahashi

1.社会保険料控除

本人または本人と生計を一にする配偶者その他の親族の負担すべき社会保険料を支払った場合または給与から控除される場合には、社会保険料控除の対象となります。

2.年末調整での適用

給与から控除される社会保険料については、年末調整の際に特に手続きなしで社会保険料控除が適用されます。

給与から控除される社会保険料以外に、直接支払った社会保険料がある場合には、保険料控除申告書により給与の支払者に申告することによって社会保険料控除が適用されることになります。

具体的には次のようなものが申告対象となります。

① 会社が健康保険・厚生年金保険に加入していないため、本人が国民年金保険料、国民健康保険料(税)を支払った場合

② 会社を退職後、次の会社に就職するまでの間に、健康保険の任意継続の適用を受け、健康保険料を支払った場合

③ 同一生計の20歳以上の子供の国民年金保険料を支払った場合

④同一生計の配偶者等(自営業や、パートで健康保険の被扶養者でない人)の国民年金保険料、国民健康保険料(税)を支払った場合

3.後期高齢者医療制度の保険料

後期高齢者医療制度の保険料については、公的年金等の支給額が一定以上の場合には年金から天引き(特別徴収)され、特別徴収の対象とならない場合には、納付書で納付(普通徴収)するのが原則です。

特別徴収の場合は、後期高齢者本人の年金から天引きされるため、後期高齢者本人が支払っていることになり、給与の支払いを受ける人の社会保険料控除の対象となりません。

普通徴収の場合は、同一生計である給与の支払いを受ける人が支払っていれば、保険料控除申告書に記載することにより、給与の支払いを受ける人の社会保険料控除の対象となります。

なお、市区町村で手続きをすれば、年金天引きではなく口座振替も可能ですが、後期高齢者本人の口座からの振替ではなく、給与の支払いを受ける人の口座からの振替であれば、保険料控除申告書に記載することにより、同一生計であれば給与の支払いを受ける人の社会保険料控除の対象となります。

4.証明書の添付

社会保険料控除については、国民年金保険料、国民年金基金の加入者掛金(国民年金保険料等)に限り、日本年金機構(厚生労働省)または国民年金基金連合会が発行する証明書の添付(提示)が必要となります。

5.未払・前納等の場合

社会保険料控除の適用を受けるためには、その年の1月1日から12月31日までの間に実際に社会保険料を支払っている必要があり、たとえその年分のものであっても未払の場合には、控除を受けることができません。

逆に、過去の年分の社会保険料であっても、その年に実際に支払っていれば、その年の社会保険料控除の対象となります。