地方拠点強化税制 ~オフィス減税

Posted on 24/06/2016 by Koji Takahashi

1.地方拠点強化税制の創設

人口の東京圏への一極集中を是正し、地方において毎年10万人の若い世代の安定した雇用を生み出せる力強い地域産業の競争力強化への取組みの一環として、平成27年度税制改正において、地方拠点強化税制が創設されました。

地方拠点強化税制には、①地方にある企業の本社機能の強化支援(拡充型)と、②東京都特別区内から地方へ移転する場合の支援(移転型)の2種類があり、それぞれ、オフィス減税(オフィスに係る建物等に対する特別償却または税額控除)の新設、雇用促成税制の拡充が制度化されましたが、ここではオフィス減税について確認していきます。

2.適用対象法人

青色申告書を提出する法人で地域再生法の一部を改正する法律の施行の日(平成27年8月10日)から平成30年3月31日までの期間(指定期間)内に地方活力向上地域特定業務施設整備計画について認定を受けたものが対象となります。

3.適用対象地域

適用対象地域としては、地方活力向上地域内であることが要件となります。

地方活力向上地域とは、特定地域(東京都特別区)および集中地域(三大都市圏の一定の地域)以外の地域で都道府県、市町村が企業の拠点強化を支援する具体的な区域として特定された地域をいいます。

なお、特定地域(東京都特別区)からの移転を伴う場合は「移転型」、それ以外は「拡充型」となります。

4.適用対象期間等

地方活力向上地域特定業務施設整備計画について認定を受けた日から同日の翌日以後2年を経過する日までの間に、当該認定計画に記載された地域再生法に規定する特定業務施設(本社機能や研究所など)に該当する建物、建物附属設備および構築物で、取得価額が2,000万円(中小企業においては1,000万円)以上のもの(特定建物等)で、その建設の後事業の用に供されたことのないものの取得等をして、これを当該法人の営む事業の用に供した場合が対象となります。

5.特別償却

事業供用日を含む事業年度(供用年度)の当該特定建物等について、「拡充型」の場合は取得価額の15%、「移転型」の場合は取得価額の25%の特別償却をすることができます。

6.税額控除

特別償却に代えて、供用年度の取得に対する法人税額から特定建物等の取得価額に対して、「拡充型」は4%(認定を受けた日が平成29年度の場合は2%)、「移転型」は7%(認定を受けた日が平成29年度の場合は4%)の税額控除割合を乗じて算定した額を控除することができます。

ただし、当期の法人税額の20%が上限となります。

7.適用関係

これらの改正規定は、平成27年8月10日以後に終了する事業年度分の法人税について適用されます。