国外居住親族に係る書類の添付等

Posted on 11/08/2015 by Koji Takahashi

1.制度の概要

平成27年度税制改正によって、国外居住親族に係る扶養控除等の書類の添付等が義務化されました。これは、国外居住親族に係る扶養控除、配偶者控除又は障害者控除(扶養控除等)や配偶者特別控除の適用を受ける人は、確定申告時や給与等の支払いを受ける場合に提出する扶養控除等申告書などの提出時に、一定の書類の添付や提示を義務づけるものです。

2.確定申告の場合

所得税の確定申告をする場合に、扶養控除等の判定をする時の現況において非居住者である親族(国外居住親族)に係る障害者控除、配偶者控除、配偶者特別控除又は扶養控除の適用を受けるときは、これらの控除に係る国外居住親族が当該居住者の親族に該当する旨を証する書類(親族関係書類)及び当該非居住者である親族が当該居住者と生計を一にすることを明らかにする書類(送金関係書類)を添付又は提示しなければならないこととされました。

3.給与の支払いを受ける場合

給与等の源泉徴収において、国外居住親族に係る扶養控除、配偶者控除又は障害者控除(扶養控除等)や配偶者特別控除の適用を受ける人は、扶養控除等申告書などに親族関係書類を添付又は提示しなければならないこととされました。

4.年末調整を受ける場合

給与等の年末調整において、国外居住親族に係る扶養控除等の適用を受ける人は、扶養控除等申告書などに送金関係書類を添付または提示しなければならないこととされました。

5.親族関係書類

親族関係書類とは、次のいずれかの書類で、その国外居住親族がその人(納税者)の親族であることを証するものをいいます。

①戸籍の附票の写しその他の国又は地方公共団体が発行した書類及びその国外居住親族の旅券の写し

②外国政府又は外国の地方公共団体が発行した書類で、その国外居住親族の氏名、生年月日及び住所又は居所の記載があるもの

6.送金関係書類

送金関係書類とは、その年における次の書類で、その国外居住親族の生活費又は教育費に充てるための支払を、必要の都度、各人に行ったことを明らかにするものをいいます。

①金融機関の書類又はその写しで、その金融機関が行う為替取引によりその人(納税者)からその国外居住親族に支払をしたことを明らかにする書類

②いわゆるクレジットカード発行会社の書類又はその写しで、そのクレジットカードを提示してその国外居住親族が商品等を購入したこと等及びその商品等の購入等の代金に相当する額をその人(納税者)から受領したことを明らかにする書類

なお、親族関係書類、送金関係書類が外国語で作成されている場合には、その翻訳分を添付する必要があります。

7.適用関係

この改正は、平成28年分以後の所得税について適用されます。