医療費控除の適用

Posted on 19/01/2018 by Koji Takahashi

1.改正内容

平成29年度税制改正によって、確定申告によって医療費控除の適用を受ける場合には、医療費の領収書の添付(提示)に代えて、医療費控除の明細書を添付することが義務づけられることになりました。

また、セルフメディケーション税制(特定一般用医薬品等購入費を支払った場合の医療費控除の特例)の適用を受ける場合には、セルフメディケーション税制の明細書を添付することが義務づけられました。

なお、医療費控除とセルフメディケーション税制は、いずれかの選択適用になりますので、両方を受けることはできません。

2.医療費控除の明細書

医療費控除の明細書の様式は、① 医療費通知に関する事項(健康保険組合等が発行する医療費のお知らせなどの医療費通知を添付する場合に記載)、② 医療費の明細(①以外について、病院・薬局などの支払先の名称、医療費の区分などの明細を記載)、③ 控除額の計算(支払った医療費から保険などで補てんされる金額を差し引き、控除額を計算して記載)、の3区分となっています。

3.セルフメディケーション税制の明細書

セルフメディケーション税制の明細書の様式は、① 健康の保持増進及び疾病の予防への取組(健康診査、予防接種、定期健康診断などの内容を記載)、② 特定一般用医薬品等購入費の明細(薬局などの支払先の名称、医薬品の名称などの明細を記載)、③ 控除額の計算(支払った金額から保険などで補てんされる金額を差し引き、控除額を計算して記載)の3区分となっています。

4.取組を行なったことを明らかにする書類

セルフメディケーション税制の適用を受ける場合には、健康の保持増進及び疾病の予防への取組を行なったことを明らかにする書類の添付(提示)が必要となります。

書類は、氏名、取組を行なった年、取組に係る事業、診療を行った保険者、事業者、医療機関、医師等の名称、氏名の記載のあるものに限られます。

5.領収書の保存

医療費控除またはセルフメディケーション税制の適用において、医療費控除の明細書またはセルフメディケーション税制の明細書の添付が義務付けられましたが、医療費等の領収書については、確定申告期限から5年間の保存が必要(医療費通知に係る領収書は保存不要)となります。

そして、税務署長から求められた場合には、領収書を提示(提出)する必要があります。

6. 適用関係と経過措置

この改正規定は、平成30年1月1日以後に平成29年分以後の所得税に係る確定申告書を提出する場合に適用されます。

なお、平成29年分から平成31年分までの確定申告については、医療費控除の明細書、セルフメディケーション税制の明細書の添付に代えて、経過措置として、従来どおり確定申告の際に医療費等の領収書を添付(提示)することも認められます。