交際費等の損金不算入制度

Posted on 06/01/2015 by Koji Takahashi

1.交際費等の損金不算入制度
平成26年度税制改正において、デフレ脱却・日本経済再生に向けた税制措置(民間投資と消費の拡大)の一環として、交際費等の損金不算入制度の改正が行われました。
改正前の制度では、中小法人(当該事業年度終了の日における資本金の額又は出資金の額が1億円以下である法人)以外の法人については、支出する交際費等の額は、全額が損金不算入とされていました。
改正により、法人が平成26年4月1日から平成28年3月31日までの間に開始する各事業年度において支出する交際費等の額のうち接待飲食費の額の50%が損金に算入されることになりました。
2.中小法人の取扱い
中小法人については、年間800万円までは損金に算入されますが、年間800万円を超える部分の金額は損金不算入とされていました。
中小法人が平成26年4月1日から平成28年3月31日までの間に開始する各事業年度において支出する交際費等の額については、改正前の規定(年間800万円までの損金算入)と改正規定(接待飲食費の額の50%の損金算入)との選択適用を適用することができます。
3.接待飲食費
接待飲食費について、社内飲食費(専ら当該法人の役員若しくは従業員又はこれらの親族に対する接待等のために支出するもの)はその対象から除かれることとなります。
4.適用要件
改正規定の適用を受けるためには、その接待飲食費について、次の事項を帳簿書類に記載していることが要件とされています。
①飲食等のあった年月日
②飲食等に参加した得意先の氏名又は名称及びその関係
③飲食費の額並びに飲食店の名称、所在地
④その他飲食であることを明らかにするために必要な事項
5.少額飲食費との比較
少額飲食費(飲食等のために要する費用であって、その支出する金額を飲食等に参加した者の数で割って計算した金額が5,000円以下である費用)については、交際費等の範囲から除くこととされています。
今回改正された接待飲食費については、この少額飲食費は除いたところで、50%損金算入を計算することになります。
6.少額飲食費の記載要件との比較
少額飲食費の規定の適用を受けるためには、一定の事項を帳簿書類に記載していることが要件とされています。
今回改正された接待飲食費の帳簿書類への記載要件について、基本的には、少額飲食費の記載要件と同じです。
ただし、少額飲食費については、一人当たりの単価計算のため、飲食等に参加した者の数が記載要件に含まれています。
これに対して、接待飲食費については、一人当たりの単価を計算する必要がないため、飲食等に参加した者の数は記載要件に含まれていません。