「生命保険契約に関する権利」とは?

Posted on 10/04/2013 by Koji Takahashi

        相続税の課税財産には、本来の相続財産(現預金、有価証券、土地等)のほかに、みなし相続

財産と呼ばれる相続税法上で相続財産とされる財産があります。そのなかでもよく申告から漏れてし

まうものに「生命保険契約に関する権利」があります。

1.どのようなケースか

    ①まだ保険事故が発生していない生命保険契約~いわゆる掛け捨て保険契約は除かれます~

で、②被相続人が保険料の全部又は一部を負担して、かつ、③被相続人以外の者が契約者である

場合

     において、その契約者は生命保険契約に関する権利のうち、被相続人が負担した保険料に

相当する部分の金額を相続又は寄贈により取得したものとみなされ相続財産として課税されます。

    しかしながら通常、相続税の申告に当たってその死亡保険金が発生していないことから見落とされ

てしまう場合が多いので注意が必要です。

2.みなし相続財産の金額

    生命保険契約に関する権利の価額に相続開始時までの払込保険料の総額のうち被相続人が負担

した保険料の額の割合を掛けた金額が相続財産としてみなされる部分の金額となります。

    ちなみに、生命保険契約に関する権利の価額は、解約返戻金相当額となりますので、実務的には

生命保険会社に確認することとなります。

3.具体的ケース

    次のようなケースに注意が必要となります。夫が死亡した場合で、保険料負担者がすべて夫の

場合で、

    ①契約者が妻、被保険者が妻、保険金受取人が妻の場合

    ②契約者が妻、被保険者が妻、保険金受取人が子の場合

    ③契約者が子、被保険者が子、保険金受取人が子の場合