消費税簡易課税制度

Posted on 18/03/2015 by Koji Takahashi

1.簡易課税制度

中小企業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例(簡易課税制度)とは、実際の課税仕入れ等の税額を計算するのではなく、課税売上高に対する税額に事業の区分に応じた一定割合(みなし仕入率)を乗じた額を仕入控除額とするものです。

簡易課税制度は、事業者が、その基準期間における課税売上高が5,000万円以下である課税期間について、納税地を所轄する税務署長に、「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出した場合に、当該届出書を提出した日の属する課税期間の翌課税期間以後の課税期間に適用されます。

2.みなし仕入率

平成26年度税制改正によって、平成27年4月1日以後に開始する課税期間のみなし仕入率は、事業の区分に応じて、次のとおりとなります。

① 第一種事業 (卸売業)                                     90%

② 第二種事業 (小売業)                                     80%

③ 第三種事業 (製造業等)                                 70%

④ 第四種事業 (その他の事業-飲食店業等) 60%

⑤ 第五種事業  (サービス業等-飲食店業を除くサービス業・金融業及び保険業・運輸通信業)

50%

⑥ 第六種事業 (不動産業)                                  40%

3.事業の区分の判定

事業者が行う事業が第一種事業から第六種事業までのいずれに該当するかの判定については、原則として、その事業者が行う課税資産の譲渡等ごとに行うことになります。

4.固定資産等の売却収入の事業区分

事業者が自己において使用していた自動車や器具備品などの固定資産等を譲渡した場合には、その営む本業の事業の種類にかかわらず、第四種事業に該当することになります。

5.簡易課税制度の取りやめ

簡易課税制度の適用を受けている事業者が、簡易課税制度の適用をとりやめようとする場合には、適用を受けることをやめようとする課税期間の初日の前日までに、その納税地を所轄する税務署長に、「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」を提出する必要があります。

ただし、簡易課税制度の適用を受けた場合、2年間継続適用した後でなければ、「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」を提出して、適用をとりやめることはできません。

6.経過措置

平成26年9月30日までに、「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出した事業者は、平成27年4月1日以後に開始する事業年度であっても、その届出書に記載した適用開始課税期間の初日から2年を経過する日までの間に開始する事業年度については、改正前のみなし仕入率が適用されることになります。

したがって、平成26年度税制改正によって業種区分が変更された、金融業及び保険業(改正前は第四種事業、改正後は第五種事業)、不動産業(改正前は第五種事業、改正後は第六種事業)については、この経過措置の対象となっています。