消費税の非課税取引

Posted on 28/04/2021 by Koji Takahashi

1.非課税取引
消費税では、国内取引のうち消費税の消費一般に広く公平に負担を求める税の性格からみて課税対象になじまないものや社会政策的な配慮から課税することが適当でない一定の取引を非課税取引としています。
ここでは、そのうち主な取引について確認していきましょう。

2.土地(土地の上に存する権利を含む)の譲渡および貸付け
土地の上に存する権利とは、地上権、空中地上権、土地の賃借権、地役権、永小作権等の土地の使用収益に関する権利をいいます。
なお、一時的に使用させる場合等は非課税取引から除かれていますが、これは土地の貸付期間が1月に満たない場合および建物、駐車場その他の施設(テニスコートや野球場など)の利用に伴って土地が使用される場合をいいます。

3.郵便切手類、印紙および証紙の譲渡
郵便局や印紙売りさばき所等、一定の場所における譲渡に限られ、郵便切手類等が収集品販売業者等によって収集対象として販売される場合は課税取引となります。

4.物品切手等の譲渡
物品切手等とは、商品券、ビール券、図書カード、各種のプリペイドカードなど、物品の給付、貸付けまたは役務の提供に係る請求権を表彰する証書等をいいます。

5.住宅の貸付け
住宅とは、人の居住の用に供する家屋または家屋のうち人の居住の用に供する部分をいい、一戸建ての住宅のほかマンション、アパート、社宅、寮なども含まれます。
非課税取引となるのは、契約において人の居住用であることが明らかにされているもの、契約において貸付けに係る用途が明らかにされていない場合に、その貸付け等の状況からみて人の居住用であることが明らかなものに限られます。
なお、その貸付けに係る期間が1月に満たない場合、またはその貸付けが旅館、ホテルなど旅館業法に規定する旅館業に係る施設の貸付けに該当する場合は課税取引となります。
また、住宅宿泊事業法に規定する住宅宿泊事業(いわゆる民泊)も、旅館業法に規定する旅館業に該当するため課税取引となります。

6.有価証券、有価証券に類するもの、支払手段および支払手段に類するものの譲渡
これらに該当するのは、国債証券、社債券、株券、合同会社等の社員の持分、貸付金、預金、売掛金その他の金銭債権、銀行券、硬貨、小切手などですが、収集品および販売用のものは除かれます。

7.その他の非課税取引
公的な医療保障制度に係る療養、医療、施設療養またはこれらに類する資産の譲渡等、介護保険法の規定に基づく居宅・施設・地域密着型介護サービス費の支給に係る居宅・施設・地域密着型サービス等、社会福祉法に規定する社会福祉事業等として行われる資産の譲渡等、学校、専修学校、各種学校等の授業料、入学金、施設設備費等、教科用図書の譲渡などが非課税取引となります。