報酬・料金等の源泉徴収

Posted on 27/03/2013 by Koji Takahashi

1.報酬・料金等の源泉徴収制度

    居住者又は内国法人に対して原稿料や講演料、税理士報酬や弁護士報酬など一定の報酬・料金等の支払をす

る者は、その支払の際に一定の税率により所得税及び復興特別所得税を源泉徴収して納付する義務があります。

    ここでは、報酬・料金等の源泉徴収のうち、一般的なものについて確認していきます。

2.源泉徴収義務のない者

    給与等の支払がない個人又は常時2人以下の家事使用人のみに対して給与等を支払う個人については、ホス

テスなどの報酬・料金を支払う場合を除いて源泉徴収の義務はありません。

3.税理士報酬等の源泉徴収

    弁護士(外国法事務弁護士を含みます)、公認会計士、税理士、社会保険労務士、弁理士、建築士、不動産鑑

定士等の業務に関する報酬・料金を支払う際には、支払金額の10.21%の税率で源泉徴収することになります。

    ただし、同一人に対して、1回に支払う金額が100万円を超える場合は、その100万年を超える部分については、

20.42%の税率となります。

    たとえば、1回に120万円を支払う場合には、100万円 × 10.21%  +  (120万円 – 100万円) × 20.42% =

142,940円 の源泉徴収が必要となります。

4.司法書士報酬等の源泉徴収

    司法書士、土地家屋調査士、海事代理士の業務に関する報酬・料金を支払う際には、(支払代金 - 1万円)に

対して、10.21%の税率で源泉徴収することになります。

5.原稿料、講演料等の源泉徴収

   原稿料、挿絵料、作曲料、デザイン料、放送謝金、著作権の使用料、講演料等の報酬・料金を支払う際には、支

払金額の10.21%の税率で源泉徴収することになります。

    ただし、同一人に対して、1回に支払う金額が100万円を超える場合には、その100万円を超える部分について

は、20.42%の税率となります。

6.消費税等の取扱い

    報酬・料金等の金額の中に消費税及び地方消費税の額が含まれている場合には、消費税及び地方消費税の

額を含めた金額が源泉徴収の対象となる報酬・料金等の金額となります。

    ただし、報酬・料金等の支払いを受ける者からの請求書等において、報酬・料金等の額と消費税及び地方消費

税の額とが明確に区分されている場合には、消費税及び地方消費税の額を含まない報酬・料金等の額のみを源

泉徴収の対象とする金額として差し支えないこととされています。

7.旅費等の取扱い

    報酬・料金の支払者が、旅費や宿泊費を負担する場合には、その金額も源泉徴収の対象となります。

    ただし、報酬・料金の支払者が、その旅費や宿泊費を交通機関やホテルなどに直接支払い、かつ、その金額が

その費用として通常必要であると認められる範囲内であれば、源泉徴収をしなくて差し支えありません。