在宅勤務手当の取扱い

Posted on 28/12/2021 by Koji Takahashi

1.在宅勤務手当
新型コロナウイルス感染症の拡大にともなって、テレワークを導入する会社が増えていますので、テレワークに係る在宅勤務手当を支給する場合の課税関係について確認しておくことにしましょう。

2.課税される場合
在宅勤務手当のうち、毎月定額支給など従業員が在宅勤務に通常必要な費用として使用しなかった場合でも、その金銭を企業に返還する必要がないものについては、所得税の課税対象となります。
また、業務用のパソコンなどの事務用品等について、従業員に支給(所有権を移転)した場合にも、課税対象となります。

3.非課税となる場合
在宅勤務に通常必要な費用としては、業務用のパソコンなどの事務用品等、通信費、電気料金、レンタルオフィス利用料などがありますが、在宅勤務に通常必要な費用について、その費用の実費相当額を精算する方法により、支給する一定の金銭については、所得税は課税されません。

4.事務用品等の貸与
業務用のパソコンなどの事務用品等について従業員に支給するのではなく、貸与(業務に使用しなくなった場合は返却を要する)している場合は原則として課税されません。

5.通信費・電気料金
家事部分を含めて負担した通信費・電気料金について、業務のために使用した部分を合理的に計算して支給することが前提となります。
電話料金のうち通話料については、通話明細書等により確認した業務のための通話料金、基本使用料やインターネット接続に係る通信料、電気料金については、業務のために使用した部分として合理的に計算した部分は、課税対象外となります。

6.合理的計算方法
業務のために使用した部分の計算方法として、例えば次の方法による場合は、合理的であるとされています。
① 通信費
月額料金×当月の在宅勤務日数/当月の日数×1/2
② 電気料金
月額料金×業務使用した部屋の床面積/家屋の床面積×当月の在宅勤務日数/当月の日数×1/2

7.レンタルオフィス使用料
従業員が、勤務時間内に自宅近くのレンタルオフィス等を利用して在宅勤務を行った場合の使用料について、業務にのみ使用していれば課税対象にはなりません。

8.支給方法
上記の在宅勤務に通常必要な費用の支給方法については、会社が従業員に対して、在宅勤務に通常必要な費用として金銭を仮払いした後、その領収証等により精算する方法でも、従業員が立替払いした後で、その領収証等により会社から支給を受ける方法であっても、実費相当額の精算が行われていれば問題はありません。