印紙税をめぐる税務調査と留意点

Posted on 30/03/2015 by Koji Takahashi

電子商取引が増加してきた現在でも、印紙税調査は結構行われています。

1.調査の手法

印紙税調査は単独でも行われますが、原則法人税や所得税の実地調査の際に同時に行われるのが主流です。

また、意外かも知れませんが、印紙税は税理士業務に含まれていませんので、税理士は「税務代理人」にはなれません。よって、税務代理権限証書の対象税目に印紙税を記載して提出しても、事務通知は納税者本人になされるのがスジとなります。

2.不納付文書が発見された場合

不納付文書につき調査官から指摘があった場合には、次のような手順となります。調査官は、その調査内容の結果を検討して納税者に対して次のような説明を行います。すなわち、「更正決定等すべきと認めた非違事項の内容及び不納付事実申出書が提出された場合の過怠税の金額等の説明」です。その後、不納付の申し出の勧奨が行われます。「不納付事実申出書」が納税者から提出されると、1.1倍の過怠税が賦課決定されます。また、3倍の過怠税がケースによっては賦課されます。

3.調査対象期間

仮に法人との同時調査であれば、通常の調査機関、3年及び進行期のうち調査着手日の属する月の前月までの期間とされます。

4.留意点

前述通り、印紙税は税理士業務ではありませんので、仮に納税者の同意があっても、印紙税に係る事前通知や調査内容の結果は、必ず納税者に対して行われることになります。

但し、調査の現場では弾力的事務運営により、一定の場合には、調査官が必要と認めた範囲で調査立ち会いや調査結果の内容説明の際に税理士の同席が認められる場合もあるようです。