中古資産の見積耐用年数

Posted on 28/08/2015 by Koji Takahashi

中古資産を取得した場合に、適用される耐用年数は、その資産がすでに使用され、時の経過によって価値が減少しているため、新品と同じ耐用年数を用いることは当然不合理です。そのため法令により中古資産に対応する短縮耐用年数の出し方が規定されています。

1.具体的算定方法

① 見積法による耐用年数

その資産を事業の用に供した時以後の使用可能期間の年数を用いる方法です。

② ①によることが困難な場合は次のような簡便法による耐用年数によることができます。

イ.法定耐用年数の全部を経過した資産     : 法定耐用年数 × 20%

ロ.法定耐用年数の一部を経過した資産      : (法定耐用年数 - 経過年数) + 経過年数 × 20%

なお、いずれの場合も1年に満たない端数があるときは、端数切捨て、算出年数が2年に満たない場合は2年とすることになっています。

2.留意点

① 中古資産を事業の用に供するために改良等を行った場合で、その支出金額が取得価額の50%超のケースでは簡便法は適用できません。

② 同様に、改良等の支出金額が新品価額の50%超のケースではすべて新品扱いの法定耐用年数によらなければなりません。

③ 注目すべき裁判例として、相続により取得した賃貸用マンションの耐用年数の扱いで注目すべき裁判例が出ています。

判決内容は、納税者が主張した中古資産の耐用年数が適用できるか否かについて、相続により取得した減価償却資産については、取得価額とともに償却費の算定要素である耐用年数についても引き継がれるとして、その適用を否定しています。ご留意ください。大阪地裁、平26(行コ)第64条     平26.10.30判決